TOKYO ROPE RECRUITMENT 2019

トップメッセージ

継続と意欲こそ、すべての価値になる。

現実と真摯に向き合い、新たな変化を追求する。

 どれだけの困難があろうとも、継続の意志を持つべきです。それが、企業存続の上で最も重要であると私は確信しています。東京製綱が継続してきた意志。それは現実と真摯に向き合い、変化を求めて前進する、創業時からの挑戦心だと言えるでしょう。世界のワイヤロープ業界に目を転じると、130年という年月の重みを再認識させられます。それはすなわち、過去に多くのワイヤロープメーカーが経営危機に陥り倒産、あるいは買収されている。これが現実なのです。では、なぜ東京製綱が長きにわたる年月を乗り越えられたのか。それは、歴史と実績に甘んじることなく、常に変化を追求してきたからに他なりません。
 産業構造全体が大きく変化していく現代社会にあっては、当社も大なり小なり影響を受けています。具体的には、公共投資の減少、さらに重厚長大産業の空洞化により、国内市場は長期的には縮小傾向が続くでしょう。また、少子高齢化も市場に大きな影響を与えると考えられます。たとえば、落石の恐れがある山間部から、人口が都市部に集中する。そうなれば必然的に、落石防護ネットといったエンジニアリング製品の需要は減ります。しかし、国内市場での需要が減少しても、世界的に見ると我々の技術は確実に求められています。

 2014年に開催されたソチオリンピックでは、会場周辺道路に当社製の落石防護ネットなどの安全防災製品が採用され、2016年に完成したトルコのイズミット湾横断橋には、橋梁用ケーブルが使用されました。また、目下のプロジェクトとしては、イスラム教最大の聖地メッカの巡礼ルートに、最新技術を駆使した落石防護ネットを張り巡らせ、約3000万人のイスラム教徒の安心と安全を創出します。どれも東京製綱の技術力でなければ成し遂げられないプロジェクトです。
 現在10〜15%の海外売上高比率を、今後はもっと伸ばしていく必要があります。その布石として、2017年12月に当社の成長ドライバであるCFCC(炭素繊維ケーブル)事業部と、海外エンジニアリング事業部を分社化し、「東京製綱インターナショナル(株)」を設立。より一層、海外展開を加速させていきます。また、国内外問わず、いかなる市場環境であっても、高品質製品の供給を継続していくことが業界としての責務であり、そのために業界レベルで製品とサービスの品質向上を図り、その付加価値を市場に認めてもらうための努力を継続していくことが大切であると考えています。

継続することの大切さ。

 ここからは個人的なお話をさせていただきます。私は、東京都墨田区に生まれ、千葉県松戸市で育ちました。学生時代はボーイスカウト活動を続けつつ、高校時代にはボート部にも所属していました。また、大学では部活動はせず、専ら熱心に取り組んだのは研究活動でした。金属材料を専攻し、原子炉材料や高融点金属、粉末冶金などの研究に熱を入れました。中でも、一番熱中したのは、核融合炉の材料研究です。もちろん大変なことも多かったですが、地道な努力が結果として現れることに大きなやりがいを見出し、それこそ寝る間も惜しんで研究に没頭しました。継続することの大切さは、あの頃に学んだような気がします。
 就職活動に際しては、まず大学院には進学しない道を選びました。当時同級生のおよそ半数は大学院への進学を決めていましたが、一方で私は早く社会に出て働きたい気持ちが強かったのです。東京製綱を知ったきっかけは、大学の研究室の先輩で当社に勤務されている方からの紹介です。先輩の話を聞く中で、東京製綱は現場も経験できるし、なおかつ規模もそこまで大きすぎないため自由もききそう。ここでなら自分の実力を試せるのではないかと、研究活動で養われた好奇心がくすぐられました。入社して最初の1、2年は研究員として従事し、高抗張力ワイヤ等の製品において鉄鋼メーカーと共同開発を行いました。先方が材料を開発し、当方が加工を行う。互いの強みと特長を生かし、より強い材料の開発を目指しました。

 私の会社人生に大きな影響を与えることになったのが、入社3年目、関係会社の日本特殊合金への出向です。従業員の採用をはじめ、工場建設、操業立ち上げ、営業展開などの一連の新規事業構築を任されました。最初は従業員が20人ほどの、いわゆる小さな町工場。昼時には皆で輪になり弁当を広げるほど、和気あいあいとした雰囲気でした。
 誰もが2、3年ほどで軌道に乗り始め、規模が大きくなっていく青写真を描いていました。しかし、現実はうまくはいかず、事業が黒字化するまでに7年を要しました。本当に長く、辛い時期でした。ただ同時に、人生において、何かを継続し、やり遂げることの重要性を身に染みて実感した7年間でもありました。事業が黒字化したとき、100人ほどに増えた社員全員で分かち合った喜びを今でも忘れることができません。

成長への近道は、ひたむきな意欲を持ち続けること。

 日本特殊合金での経験は、その後の会社人生を送る上でも大いに役立っていると実感しています。逆境下における耐性が身に付き、「情熱と地道な努力は、必ず成功に至る」という信念を持つことができました。その後、東京製綱ベトナムの初代社長に就任してからも、この信念を貫き通し、現在に至ります。
 これからの東京製綱を担う皆さんには「グローバル人材」を目指してほしいと考えています。私の考える「グローバル人材」とは、語学力はもちろんのこと、どのような国・地域でも通用する柔軟性、行動力、倫理性を兼ね備え、常に能動的に考え、行動し、自らが見出した新しいテーマに果敢に挑戦するチャレンジ精神旺盛な人材ということです。それにおいて必要不可欠なのは、資質ではなく、意欲。成長への近道は、意欲を持ち続けることです。

 座右の銘として掲げている言葉があります。それは「ネアカ、伸び伸び、へこたれず」。私自身、この言葉に何度も救われました。とりわけ、「へこたれず」が重要だと思っています。しかしながら、誰しも「へこたれる」ものです。ただ、どれだけの困難が目の前に立ちはだかろうとも、あきらめない、投げ出さない、自分自身を騙してでも前向きに物事を考えることができれば、必ず道は拓かれます。
 継続する意欲を持つ方に当社の門を叩いていただきたい。そう強く願っています。

東京製綱株式会社 代表取締役社長

中村 裕明

HIROAKI NAKAMURA

東京都出身。1979年、東京大学工学部金属材料学科を卒業し、東京製綱に入社。入社後は研究所に配属され、3年目で関係会社の日本特殊合金(愛知県蒲郡市)に出向。その後、国内各工場や本社技術部門を経て、2006年にベトナム現地法人(東京製綱ベトナム)に初代社長として4年間駐在。2010年に帰国後は、取締役鋼線事業部長兼経営企画部長などを経て、2014年6月、東京製綱代表取締役社長に着任する。
性格は「わりと几帳面」。趣味は、ゴルフ、ショッピング、DIY(料理・園芸・オーディオ)、音楽鑑賞、読書など多彩。独身の頃より続ける料理は、シーフードが得意だが、「台所を汚し、妻に怒られるので、最近はそこまでやっていない」。