TOKYO ROPE RECRUITMENT 2025

生産技術

現場で培う経験が新しい挑戦を生み出す。

山下 弘展

HIRONOBU YAMASHITA
DEPARTMENT :
東京製綱インターナショナル株式会社
北上工場製造部 兼 技術開発部
JOINED YEAR :
2017年入社
EDUCATION :
工学研究科 応用化学専攻 修了

入社理由

東京製綱に興味を持った理由は、ロープという製品がインフラに欠かせない存在であり、人々の安全・安心に貢献しているからです。エレベーターには毎日のように乗りますし、観光地に行けばロープウェイやスキー場のリフト、建設工事現場ではクレーンなど、普段意識することはほとんどありませんが、改めて周りを見てみるとロープがない生活は考えられません。東京製綱は業界のリーディングカンパニーなので、自然とここで働きたいと思うようになりました。

入社の決め手は東京製綱の社員が魅力的に見えたからです。説明会や選考で、若手からベテランまで多くの社員の方々と触れ合う機会がありました。自分の会社の製品と仕事に誇りを持って生き生きと語る姿が印象的でした。「自分も先輩方のようになりたい、いや、きっとなれる」と思い、入社を決めました。

仕事内容

炭素繊維を材料としたロープ(CFCC)の製造部門で技術開発を行っています。技術開発というと研究室で黙々と仕事に取り組むイメージを持つ人も多いと思いますが、CFCCの技術開発は製造工場に併設されたテクニカルセンターで行われているため現場にも足を運びますし、さまざまな関係者とコミュニケーションを交わしながらプロジェクトを進めていきます。

私のミッションは、機械特性や耐熱性といった物性の試験を行い、それらを高めていくこと。CFCCは大きく分けて「土木建築用途」と「送電線用途」がありますが、CFCC単体の評価だけでなく、使用環境を想定した試験をいかにして提案するかが大切です。計画立案から実行、報告書にまとめるまで、スピード感を持って進める必要がありますし、実際にお客様を訪問して技術的な説明をすることもあります。

2021年からは製造部との兼務になりました。CFCCの生産工程で発生するさまざまな技術的課題や、ルーチン業務の改善効率化に取り組んでいます。CFCCの実績が積み上がるにつれ、新しいお客様からの引き合いも増えました。しかし同時に競争も激しくなっているので、さらなる生産効率化や品質向上は必須です。常に改善を意識しながら、工程を調整して実機試作を計画するのは難しいです。実際に製品に適用するまでに検証しなければならないことも多いですが、必ず実現するんだ、という意気込みで取り組んでいます。

仕事のやりがい

多様な課題を解決して周りの人から感謝されたり、お客様から評価していただいたりしたときにやりがいを感じます。工場は「本社からの指示に従って製品をつくるだけ」だと思われるかもしれませんが、実際の工程ではさまざまな問題が発生したり、そもそも新規用途の場合は製品検査や試験の方法すら標準化されていなかったりします。そのような状況で「何が課題なのか」「お客様の要望は何か」を整理・分析して解決につなげます。本社の営業部門とのコミュニケーションは不可欠で、情報が足りなければお客様に問い合わせることも。簡単にいかないことばかりですが、お客様・営業部門・工場といった関係者との信頼関係が、技術開発・製品開発を成功に導くカギになり、その過程にはたくさんの醍醐味が詰まっています。

創業135年を超える東京製綱にとって、CFCCは比較的新しい製品です。開発からおよそ30年の努力を経て、徐々に実績が積み上がっています。2020年にはアメリカ・バージニア州の「ハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業」に私たちのCFCCが採用され、現在工事中です。この大型プロジェクトには、緊張材として使われるCFCCの製造から緊張用端末の試験、コンクリートのパイルやビーム製作の現場での立ち会いまで、さまざまな場面で関わりました。現場に立ち会った際にCFCCの性能に対してお客様から高評価をいただけたときは、素直に嬉しかったですね。

これからの目標

社内だけでなくお客様も含めて、「一緒に仕事をしたい」と思ってもらえる技術者になりたいと考えています。まずは技術に関する知識と経験を積み上げていきたいです。そしてお客様の技術担当者と議論しながら一緒に良い製品をつくっていくことができれば、会社にとっても自分にとってもプラスになると思っています。お客様の要望を的確に把握するためには、実際に製品が使われている現場に足を運び、自分の目で見て触って感じることが不可欠です。それは工場でも同じ。人から聞いた話ではなく、自分自身の肌感覚が何より大事だと思っています。

東京製綱には自ら進んで手を挙げれば、どんなことにも挑戦させてくれる文化があります。私自身、業務改善や工程改良のアイデアがあれば積極的に提案するように心がけていますし、その提案に対してGOサインを出してくれる上司や先輩がいます。非常に恵まれている環境にいると日頃から感じますね。また部署の枠組みを越えて、工場内の基礎技術や生産技術、あるいは営業部門から寄せられる新規案件など、あらゆるプロジェクトに参画できる環境です。これからも工場でさまざまな技術課題の解決に取り組みながら、経験を積んでいきたいです。